他人の不幸が読めるページ

リアルな人の不幸、転落人生。同情するかメシウマするか読まれる方へお任せします。

歩行障害、失職。同級生と先生の人生を狂わせてしまった小学生の私。【陽子 26歳女性】

f:id:handcure:20191105104206j:plain

 


私は小学生の時のある出来事が忘れられず、たまに思い出すことがあります。それは私が関わったことによって、身体的にも精神的にも大きな傷を負った人、職を失ってしまった人がいるのです。


私の通っていた小学校では、同学年の子に身体が大きいやんちゃな男子児童Aくんが居ました。Aくんは物凄く素行が悪く、学年の先生からも他の児童からも注視されていました。
例えば、喧嘩は日常茶飯事でいつも唐突に相手を怒鳴ったり殴ったりしました。喧嘩というよりも一方的な暴力行為も多かったかもしれません。感情の起伏が激しく、いつスイッチが入ってキレてしまうかのタイミングがわからない男の子でした。

クラス替えの日にまだ話したこともない相手に向かって、いきなり思い切りパンチをしたり、授業中に他の児童に嫌がらせをしに出歩いたり。席に座って勉強することも難しい児童でした。


私が小学5年生になった時に、Aくんと同じクラスになりました。

担任の先生は50代の女性で、大人しく優しい印象でした。怒鳴って叱りつける様な先生ではなく、当時の小学生目線でいうと、「優しいおばあちゃん」に見えました。先生はAくんが授業中出歩いたり喧嘩をすると、叱りますがむやみにAくんに近づいたり声を荒げていませんでした。というよりも正直、問題児のAくんへの扱いにかなり困っていた様に感じます。


Aくんは男女関係なく殴ったり、体育の時にボールを顔にぶつけてきたりしました。もう5年生なのでAくんの体も大きく力も強いため、とても痛いのでやられた児童は泣いていました。そして、その様な事態になると授業どころではありませんでした。
ある日、私も思いっきり顔にボールをぶつけられました。顔には擦り傷ができてしまって、これまで以上にショックだったし、怒りで身体が震えました。

なぜこんなことをされないといけないのか、なぜ大人である先生はもっとAくんを叱ったり、行動を改めさせないのかと憤りました。同じ様に思っていた複数の友達と、どうにかさせなくてはと先生に抗議しに行きました。その日は先生も「今までごめんなさい。Aくんには一生懸命いってみる。」と答えてくれました。


後日、教室内でAくんが他の男子児童を殴って喧嘩になっていました。私や友達ですぐに先生を呼び、早く叱りつけて止める様に言いました。しかし、「やめなさい!」と先生は叫ぶだけで、なかなか場は収束しませんでした。


今思うの感情に任せてこんなことをしなければよかったなという思いもありますが・・・その時、私は先生の背中を思いっきりAくんの方に向かって押しました。

お婆ちゃんがもたついているようで見ていてもどかしかったし、Aくんにもっと近づいて叱ってほしい、ちゃんと伝わる様に目をみて叱ってほしい、大人ならAくんの体を押さえつけたりできるはずだと、そう考えて押しました。


しかし、割って入った先生は私の押す力が強くよろけて、Aくんにタックルする様な形になってしまい二人は倒れ込みました。倒れたAくんが、

「ギャッ!!」

と動物のような声で鳴いたのが聞こえました。どこか痛めたようで起き上がりません。

 

先生の方は起き上がり、何かスイッチが入ってしまったようでAくんに向かって今までとは違う様子で「もういい加減にしろ!」「お前みたいな子供はどうしようもない!」「くたばれ!」など滅茶苦茶にAくんを罵倒して泣き叫び始めました。

私はびっくりして固まってしまい、何もすることは出来ません。先生は叫び続け、Aくんはうずくまってずっと唸ったままでした。

やがて、騒ぎに気付いた他の先生が駆け付け先生は連れて行かれ、Aくんは立ち上がることが出来なかったので救急車で運ばれていきました。あまりにも恐ろしくてショッキングな光景でした。


その後、運ばれたAくんは倒れた時に先生の肘が腰骨を折ってしまい歩行に障害が残ることになりました。最初は車椅子でしたが、片足を引きずって歩けるようにまでは回復。暴れたくても暴れられない身体になり結果的に大人しい子供へと性格が変わりました。

先生の方は今はどうしているのか分かりません。学校へはあの日以来姿を見せず、親や他の先生からも説明はないまま学校を去ってしまったから。ただ、直接会ってはいませんが警察から、

「●●先生は陽子ちゃんに押されたって言っているけど本当かな?」

と聞かれたことがありました。

私は自分が押したことがバレてしまったら自分が少年院に入れられてしまうのではないかという恐怖があり、そんなことはしていないと言い張りました。私が押したことは間違いないですが、警察にそれを話した先生に自分が裏切られたような気持ちになり嘘を付くことに躊躇はありませんでした。

現場には他の生徒たちも居たので、誰かが口を割って私が押したことがバレるのではないかと毎日ビクビクしていましたがいつまで経っても特に何も起きず私にとっては幸いなことに先生の過失として決着したようでした。先生にどういう罰や処分が下ったのかは今でも良く知りません。

 

この文章を書いていて私の行動がきっかけで二人の人生を狂わせたんだなと思いますが、私が先生を押したことにもそれなりの理由があり私も被害者です。

良い気味とまでは言いませんが、私に暴力を振るったことで身体に障害が残ってしまったAくん、私のせいにしようとして警察に証言した先生、二人ともどこか因果応報なのではないかと思いもあり、この出来事を思い出してもストレスはあまり感じずトラウマになることもなく普通に生活できています。


二人は罰を受けて罪は消えたと思うので、今も無事に生きているならば今後の人生は幸せになっていてほしいです。

 

東京都 陽子 26歳女性